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サテンの特徴と取り扱いについて

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  • 2022/01/06

サテンとは?

なめらかで光沢のある生地感が特徴の「サテン」。

ドレスやネクタイなど、フォーマルなシーンでよく使用される生地です。

近年では、コスプレ用の手作り衣装や、部屋着・パジャマ等にも使われており人気が高まっています。

 

サテンとは

 

サテンとは、織物の三原組織の1つ「朱子・繻子織(しゅすおり)」のことをいいます。

一般的に「サテン=生地の名称、原料」と思われがちですが、「サテン=織り方の種類の名称」を指しています。

サテン織りは、残り2つの三原組織である平織り・綾織と同じように代表的な織り方の一つとして長く愛されています。

サテンの滑らかさ・光沢感の理由

 

サテン(朱子織)は、通常の平織りなどよりも糸が長く渡っている織物なので、

タテ糸・ヨコ糸のどちらかが表面に長く浮いている構造になっています。

そのため、まるでどちらか一方向の糸だけで織られているように見えるほど

生地面が滑らかで、外光をよく反射するため高級感のある光沢が生まれます。

手触りも滑らかで、ツルツルとした触り心地になります。

 

 

1.サテンの歴史

 

元来、サテンは中国発祥の絹織物で、中国からアラビアを経由して、

その後イタリアに渡り、ヨーロッパ各地へと広がり、人気となりました。

日本には1500年代後半(江戸時代初期あたり)にオランダ・中国から伝わってきました。

 

2.サテンに使用される素材

 

サテンは、素材の名前ではなく生地の織り方なので、ポリエステル・キュプラなどの合成繊維から、

綿・シルクなどの天然繊維まで幅広い素材で作ることができます。

本来、サテンはシルクで作られたものを指していましたが、

現在では上記のように様々な素材で織られたサテンが流通しています。

 

ポリエステルやナイロンなどの合成繊維で織られたものは、普段使いしやすいサテン生地として使用されています。

一方、高級なサテン生地は、綿やシルクなどの天然素材で作られたものが多いです。

綿で作られたサテンは「綿朱子」とも呼ばれており、高級なものは「綿ベネシャン」と呼ばれます。

 

3.サテン生地の特徴

 

1.滑らかな触り心地

サテンは、他の織物と比べて、糸が長く渡る織り方をしているため生地面が非常に滑らかです。
そのため、肌触りもよく、ツルツルとした触り心地、滑りの良さが特徴です。

 

2.高級感のある光沢

生地の光沢感は、タテ糸とヨコ糸が交差している点が少なければ少ないほど増します。
サテン織りの特徴である、タテ糸・ヨコ糸のどちらかが表面に長く浮いている構造は、
タテ糸とヨコ糸が交差している点が非常に少ないため、上品で高級感のある光沢感を生み出します。

 

3.優美なドレープ性

サテンは、綺麗なドレープを出しやすいため、パーティー用のドレスやネクタイなど
フォーマルな場面で使用するものと非常に相性が良いです。

 

4.吸水性・保温性が低い

サテンは織物の構造上、吸水性と保温性は低いです。
しかし、素材を変えることで解決することが出来ますので、用途によって布地の使い分けされることをおすすめします。
例えば、綿で作られたサテンだと、素材自体に吸水性があるため、パジャマなどの寝具にもよく使用されています。

 

5.耐久性が低い

こちらも素材によって変わってきますが、サテンは基本的にデリケートな生地です。
サテンは平織りで織られた織物に比べると、タテ糸とヨコ糸の交差している目が少ないです。
糸同士が絡み合う部分が少ないため、摩擦等の負荷に弱く、シワや傷が目立ちやすいという特徴があります。

 

4.サテンの取り扱い

 

サテンは、非常にデリケートな生地なので、引っかきにも弱く、すぐに引きつれてしまいます。

保温性・吸水性・耐久性には優れていません。

そのため、実用的な生地というよりもドレスなどの装飾的な生地として使用されることが多いです。

 

サテンのお手入れ方法

上記でも述べた通り、サテンは非常にデリケートであるため、洗濯をする際はいくつか注意が必要です。

 

洗濯をする

使用されている素材によってお手入れの仕方は異なってきます。

既製品の洋服等には、洗濯表示のタグが付いていますので、そちらを参考にし、水洗い可能かどうかを確認します。
生地を購入し洋服を手作りした等の場合は(洗濯表示のタグがない)、購入時の素材表示を参考にします。
使用されている素材の割合を確認し、最適な洗濯方法を判断します。

洗い方も、洗濯ネットに入れたり、洋服は裏返して洗ったりするなど工夫することをおすすめします。

 

シワをのばす

基本的にサテン生地は熱に弱いです。そのため、やみくもにアイロンがけをすることはおすすめしません。
アイロンをかける際は、アイロンの温度設定は低温にし、あて布を用いて行います。
目立たない場所からアイロンをかけていくことで、より失敗を防ぐことが出来ます。

 

 

5.主なサテン生地の種類

 

シャンブレーサテンオーガンジー

https://www.nomura-tailor.co.jp/fs/tailorshop/2-014-5580

シャンブレーサテンオーガンジーは、タテとヨコで違う色の糸を使用し、サテン織り(朱子織)にした生地です。

サテンよりも透け感があり柔らかく、オーガンジーよりも厚みと張りがある生地となっています。

※シャンブレーとは、タテ糸に色糸・ヨコ糸に白糸(もしくは経糸とは違う色糸)を交互に編んでいく平織り生地の一種です。

 

バックサテンシャンタン

https://www.nomura-tailor.co.jp/fs/tailorshop/2-007-634

バックサテンシャンタンは、表面は光沢を抑えた控えめな印象で、裏面はサテン織りで光沢が強く出ています。

それに加え、シャンタン特有の表面に不規則な筋が入っていることにより、紬のようにも見えるので和装のコスプレや、
衣装等におすすめです。

※バックサテンは裏朱子織と呼ばれ、生地の裏面がサテンの織り方になっているので、裏面の光沢が強く織られています。

※シャンタンは、タテ糸に普通の糸、ヨコ糸に玉糸を使用し織られた平織物です。
ヨコ糸が太いので紬(つむぎ)のような節があり、生地の表面に不規則な筋が出るのが特徴です。

 

 

6.サテン生地の用途

 

代表的なものとしてジャケットやコートなどの裏地が挙げられます。
サテンの性質である滑らかさを活かすことで、着脱がしやすくなるため、アウター等の裏地によく用いられます。

 

また光沢や綺麗なドレープ性を活かして、パーティーで着るようなドレスや
チャイナドレス・ネクタイ・パック等の小物などにも多く使用されています。

 

綿サテンに関しては綿糸で織られているため、サテン織りのデメリットである「吸水性・保温性の低さ」を補い、
男性用のシャツやシーツなど幅広い用途で使用されています。

 

 

7.サテンの豆知識

 

サテンは日本語で「朱子織(繻子織)」と表現することもあり、和装の世界でもその織り方は使用されています。

室町末期に中国の技法を手本とし、西陣で織られたのが始まりとされています。
その後、京都の丹後、群馬の桐生などに広まり、着物の染下生地に用いられています。

和装業界でよく耳にする、綸子(りんず)と緞子(どんす)は朱子織の仲間です。

 

綸子

振袖の友禅染の布地に、さや型などの地紋が織り込まれているのが綸子です。
部分部分に裏朱子織を表に出すことにより、地紋(柄)を作りだします。
(地紋のあるサテンと表現した方が分かりやすいかもしれません。)
タテ糸が長く浮くことにより光沢が美しく、光の当たり加減で紋様が見え隠れします。

 

緞子

緞子は、ヨコ糸とタテ糸を各5本ずつ使った朱子織(五枚繻子)で地と紋様を織ったものを指します。
織物の表面にタテ糸、あるいはヨコ糸を浮かせた織物で、豪華絢爛で重厚感がある帯などに緞子地が見られます。

 

朱珍

朱珍(しゅちん)も朱子織に近い織物として挙げられます。
サテンの組織は、5枚か8枚サテン組織のものが多く、もともと朱子織は「八糸緞」と呼ばれていました。
それに対し、朱珍は「七糸緞」と呼ばれていました。

緞子との違いは、地上げ紋がないという点です。
緞子は、経緯ともに同じ色糸を使用し、地糸を表に多く出して、柄の一部として使用する地上げ紋となります。

一方で朱珍は、経繻子の地に2種類以上の色緯(いろぬき)を使い、紋様を浮き出させる手法で織られます。
そのため無地の糸を生地の紋様を表すのに使用しないのが特徴です。

 

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ノムラテーラーでは、さまざまなサテン生地を取り扱っております。

店舗では四条店1階・2階、オンラインショップでは下の画像から生地一覧をご覧いただけます。

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